宅建 権利関係(3) 不動産登記法 共有・区分所有法について

宅建

不動産登記法

登記登録とはどういうものか?不動産とは土地と建物の事。

一筆の土地、一個の建物ごとに登記記録を作成する事となっており登記所に磁気ディスク上に電磁的に記録され保管されている。誰でも閲覧できる。

原則

・申請は当事者双方が共同してやらなければならない。

単独で申請出来る例外

①所有権保存登記②仮登録(要承諾)③登記名義人の住所氏名変更の登記

④相続による権利移転登記⑤表示登記⑥判決による登記

表   〇〇市〇〇町〇丁目〇番

題   むーん サルト               ←表示登記

部   地積 290m2


権   所有権(共有持分や買戻特約等も)

利   地上権        ←権利登記

部   賃借権

(根)抵当権

①表題部→土地・建物の「表示に関する登記」を記録する。

所在地、所有者名のほか、

土地の場合❶地目(主な用途により宅地、田、畑、山林、原野等)❷地積(面積)等

建物の場合❶種類(主な用途により居宅、店舗、事務所、工場、倉庫等)❷構造(木造、RC、SR等)❸床面積等の物件の物理的状況

どこの土地建物かわかれば良いので価格は記載しない。

建物の床面積は壁などの区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積

建物については新築や火災などで滅失した時は固定資産税などの税金を徴収する為に必要なので一ヵ月以内に表示登記を申請する義務がある。

建物が2つの登記所の管轄区域にまたがって新築した場合はどちらか一方に申請

分筆登記・・・一筆の土地を数筆に分割する事。分筆した場合、抵当権は両地に存続する。

合筆登記・・・数筆の土地を一筆に合筆する事。

②権利部→土地・建物の「権利に関する登記」を記録する。

1:所有権に関する登記・・・所有権(土地・建物)

2:用益権に関する登記・・・地上権(土地) 賃借権(土地・建物)

3:担保権に関する登記・・・抵当権(土地・建物) 根抵当権も含む

(例)・AB間の所有権移転登記の抹消等・AB間の売買契約の買戻し特約

・土地を共同購入した場合の各持分等を記載→権利のことはすべて権利部に記載

権利登記に関しては申請義務なし。永久に放置していてもかまわない。(私的自治の原則)

建物の新築・滅失→申請義務あり。(一ヵ月以内に)

 

・表題部所有者←権利登記ではない。

所有者は明確にする為、臨時に表題部に所有者名を記録することとなっている。

表題部上で所有者名を名義変更することはできない。

・所有権保存登記←権利登記である。

上記を出来るのは表題部所有者(既に死亡しているなら相続人)

もしくは所有者であることを確定判決(給付判決、確認判決)で認められた者代理は不可

登記された権利の順位は登記の前後で決まる。早い者勝ち!

登記は権利関係を公示するものなので利害関係がなくても収入印紙は納付すれば誰でも登記事項証明書を交付してもらえる。

登記手続きのポイント

・当事者の申請が必要。

・表示登記は職権でOK。

①権利登記なのに職権で(申請なし)できるケース

❶誤って受理された管轄違いの権利登記は職権で抹消できる。

❷登記官の誤記で錯誤または遺漏のある権利登記がなされた場合職権で訂正できる。

②表示登記なのに職権で(申請なし)できないケース

❶土地は分筆、合筆登記を職権でできるが建物は分割、合筆登記を職権でできない。

登記の申請は原則として登記権利者と登記義務者が共同して実施する。

~申請方法~

口頭による申請は絶対に認めず①メールで送信②書面か磁気ディスクを提出(郵送可)

~登記識別情報~

・登記名義人になると登記官から登記識別情報(パスワード)が通知される。

・登記申請に際して登記識別情報を示さなければならない。

・本人じゃないと疑うに足る相当な理由があると登記官は申請人に出頭要求や質問をして調査有り。

・正当な理由で登記識別情報を示さないと事前通知(回答がないと登記できない)

・所有権の登記に限っては前の住所にも通知

・司法書士、弁護士、公証人が絡むと事前通知は不要。所有権登記の前の住所への通知は必要

事前通知とは・・・登記官側からの登記名義人の本人確認の事。

第三者の許可が必要なケース

・売買を原因とする農地の所有権移転登記→知事等の許可が必要(農地法)時効取得の場合は不要。

・登記上、利害関係を有する抵当権者がいる土地の所有権の登記を抹消する時(抵当権者の許可必要)

分筆する場合は両方に抵当権が存続する為、不要。

~仮登記~

物権の変動がまだ生じてない(条件を満たしてない)場合と変動は生じたが登記申請に必要な情報が揃わない場合、仮登記ができる。

→条件を満たし本登記出来たら本登記の順位は仮登記の順位となる。対抗力が生じるのは本登記になってからだが順位は仮登記した日に遡る。

共有・区分所有法

共有物のルール

・保存行為は単独で可能(修理や明渡し)

・利用行為は持分の過半数の賛成が必要(賃貸借契約の締結と解除等)

・変更行為は全員の同意が必要(増改築、建替、売却、抵当権の設定等)

自己の持分の譲渡や抵当権の設定は各自でOK

分割について、建物は5年を限度に不分割特約を設定できる。(裁判所に分割を請求不可)

共有者の一人が持分放棄又は死亡したが相続人がいない場合は国庫に帰属せず他の共有者の物となる。

区分所有法

・区分所有建物の専有部→壁の内側線。

・区分所有以外の建物→壁の中心線。

・法定共用部分・・・廊下、階段、EV等。→登記できないが第三者に対抗出来る。

・規約共用部分・・・管理人室、集会室、付属建物等→表題部に登記。

上記の持分の割合は専有部分の床面積の割合で決まる。

・敷地利用権は区分所有権とは別個の権利だから区分所有権は敷地の部分には及ばない。

→敷地部分は専有部分の床面積の割合で各区分所有者が共有し、専有部分と分離処分できない。(一体性の原則)規約に別段の定めがあれば別で共用部分は区分所有法に別段の定めがある場合のみ専有部分と分離処理ができる。

区分所有建物の管理

原則は過半数の賛成が必要。

賛成数 出来る事 定数を規約で変更可能か?
1/5以上 集会の招集 頭数も議決権も減らせる
3/4以上 共用部分の重大な変更 頭数だけ過半数まで減らせる
規約の設定、変更廃止 ×
大規模滅失の復旧 ×
管理組合の法人化 ×
違反者への措置+3/4+裁判 ×
4/5以上 建替え ×

書面も代理もOK。

占有者でも集会に出席し意見を述べることが出来るが区分所有者ではないので決議には参加不可。

多数派の横暴は不可。

宅建 権利関係(2) 時効 相続 物権の変動 危険負担 債権譲渡
時効 取得時効、消滅時効 ・取得時効・・・他人の物を自分の所有物にする意思で次の期間占有し続けると所有権・地上権・地役権の権利を起算日にさかのぼって取得することができる。 占有開始時に善意無過失→10年間 それ以外→20年間 ...

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